QHYCCDってどんなカメラ?(5)センサーサイズでみる天体用カメラ選び



QHYCCDの天体用カメラは、様々なセンサーサイズをラインナップしています。大きなものは「フルサイズ(36mm×24mm)」を越える「36mm角」から、小さいものは「1/2.8インチ(5.6×3.1mm)」まで。この多彩なバリエーションから、自分の撮影目的と機材(そして予算)に合ったセンサーサイズを選ぶことが重要です。

まずは、ディープスカイ(いわゆる星雲や星団、銀河、星野写真など)に限定し、モノクロ冷却CCDカメラのラインナップから代表的な機種を見てみましょう。

QHY23冷却CCDカメラ(1インチ918万画素16bitモノクロCCD)

1インチセンサーは本格的ディープスカイ撮影用には最も小サイズの部類になります。広がった星雲などの撮影にはあまり適しませんが、小さな銀河や惑星状星雲などを撮影するには手頃なサイズです。特にQHY23はピクセルサイズ(一番小さな画素の大きさ)が3.69μと小さく、エアリーディスクの小さなFの明るい高性能な光学系であっても、限界までのディテールを描写することが可能になります。

QHY9冷却CCDカメラ(4/3インチ830万画素16bitモノクロCCD)

4/3センサーはフルサイズと比較して面積が約1/4。位置づけとしては1インチセンサー同様、小さな天体向けです。このQHY9の場合、「KAF8300」という非常に定評のあるセンサーチップを使用し、価格的にもこなれているためお求めやすくなっています。

一般にセンサーサイズが大きくなるほど高価になります。また、最新のセンサーほど高価になるのは他の電子製品と同じです。少し古くても評価が固まっているお値頃なパーツを使うというのも、他の電子製品と同じ賢い使い方と言えるでしょう。

QHY27冷却CCDカメラ(APS-C1600万画素16bitモノクロCCD)

APS-Cサイズはセンサー面積がフルサイズの約1/2。画素数1600万、センサーピッチは約5μ。小さな天体から広がった対象、カメラレンズから長焦点の望遠鏡まで、オールマイティに使えるフォーマットです。

QHY28冷却CCDカメラ(フルサイズ1600万画素16bitモノクロCCD)

フルサイズの冷却CCDは、ディープスカイ撮影機材のひとつの到達点と言えるでしょう。QHY28はフルサイズでありながら画素数は1600万と控えめですが、7.4μという大きな画素が暗い天体から明るい天体までの光を「16bit」のダイナミックレンジで捉えます。