QHYCCDってどんなカメラ?(1)CCDとCMOSのフラグシップモデル
QHYCCDは天体写真撮影に特化した専用のカメラを製造・販売しているメーカーです。天体専用のカメラには使用するセンサーの仕組みとそのサイズ、モノクロ・カラーの違い、ノイズを減らすための「冷却」の機能の有無、フィルターホイールやオフアキシスガイド機構などの有無などで様々なバリエーションがありますが、QHYCCDはそのすべてのラインナップをカバーしている天体専用カメラのトップメーカーの一つです。
QHY29冷却CCDカメラ(フルサイズ2900万画素16bitモノクロCCD)
フラッグシップモデルとも言えるQHY29。天体用カメラに使用されるセンサーには、大別して「CCD」と「CMOS」の2つの種類があります。このカメラはCCDを使用。CCDのメリットは、16bitのADコンバータを搭載し画像の情報をより細かな単位で記録できること。一般の風景写真では通常は14bitあれば十分とされていますが(12bitでも人間の眼では実際にはほとんど区別が付きません)、極めて暗い星雲から明るく輝く星までを対象とする天体写真では、このビット数の違いが大きな差となって現れてきます。
QHY367C冷却CMOSカメラ(フルサイズ3600万画素14bitカラーCMOS)
CMOSセンサー版のフラグシップモデルとも言えるQHY367C。CMOSセンサーは広くデジタルカメラで使用されており、この10年で急速に進化・普及しました。冷却CCDと比較してノイズが少ないこと、読み出しが高速なため動画に強いこと、量産品であるため比較的低価格であることなどがメリットです。
このカメラは定評あるニコンの天体用一眼レフカメラ「D810A」と同じといわれるセンサー「IMX094」を使用しています。D810Aと比較するとこのカメラは冷却機構により気温の高い夏季でも低ノイズであることや、カメラ側の「画像処理エンジン」による「(天体撮影にとって)過剰・有害な画像処理」の影響を避けることができるのがメリットです。